落ち込んで、また少し浮上

なんともパッとしない日々の中、せめて薄曇り程度の天気をKEEPしていたいのに、真っ黒い雲の立ち込める出来事が起きる。
昨日もそうで、昨日は久しぶりに子供の部屋へ行ってみて、ついでに一緒にカレーピラフを食べた。
さてっと。美味しかった。ご馳走様。
皿を持って立ち去ろうとし、ふと目に止まったゲームのパッケージがあったので、手に取ってみた。

Xbox360「コール オブ デューティ 4」

テレビ画面にさっきから映っているのがこのゲームだったらしく、「ちょっとやってみて」とプレイさせると、実写かと勘違いするクリアな映像。
でもって内容が


ロシアの過激派テロリスト、イムラン・ザカエフ。

スターリンを崇拝し、旧ソ連の理想を現代によみがえらせようと目論む超国家主義者。彼は、野望の障害になるアメリカに対抗するため、中東の反米武装テロ組織を率いるアル・アサドと手を組む。国家と人種を超えた国際テロネットワークが組織され、大規模なテロ活動を計画する。

この情報を察知したイギリス陸軍特殊部隊SASはアメリカ海兵隊に協力を要請、テロ計画を阻止するため、共同作戦を展開する。


画面では、目の前のアラブ人とおぼしき、限りなく現実っぽい人物が、銃器でどんどん撃たれてギャーとか悲鳴を上げてはバタバタ倒れる。いや、撃たれてではなくて、うちの子が「撃って」いるのだ。
顔の表情までは読み取れないものの、かなり接近していて、絶え間なくドンドン撃つので、ドンドン倒れる。

このXbox、先日買い与えたもので、その前のゲーム機はPSで、あと持っていたのはDSとPSPだけだったのでさほど真に迫った映像ではなかった。
ところがXboxと来た日にはもう、こまごまと細部まで現実を再現しているのだ。

「コール オブ デューティ 4」は子供が友達から借りたもので、まさかこんなのをやっているとは思っていなかった。甘かった。わたしはほとんど正視するのに耐えられなくなった。自分でやっているわけではないのに、銃器の反動や、殺した手ごたえのようなものまで伝わってくる感じでよけいに。


「まったく、これって何? 何がテロリスト集団よ?」
そりゃあ、ゲームと現実を混同するほどバカではないのだろうけれど。
それにわたしが時代錯誤な親なんだろうけど。


「ここで舞台のモデルになっているような中東の国なんて識字率が低くて、アフガニスタンなんか35%くらいで、女性に限っては5%くらいしか読み書きができなくて、それくらい貧しい。貧しいからテロの手段だって自爆テロばかりで、ひとつの命に対して最もコストパフォーマンスのいいやり方で、一個の命に対してどれくらい多数の犠牲者を出せるか、あるいはどれくらい高い演出効果を発揮できるかという基準で、自爆テロが起きる。それもドンドンと起きる。君くらいの年齢の子供もそれをやっている。

どうしてテロが起きるのか、いつまでも終らないのか、それを説明しきる能力はわたしにはないけれど、そういうのを自分で調べるためにインターネット環境があるんじゃないか。誰も教えてくれないんだよ、自分で興味もちなよ。」

といった意味のことを、力なく淡々とよどみよどみ語れる範囲で、長々と話した。
最初少し神妙にしていた子供も、わたしの話があまりに長いせいか、最後の方はシビレを切らして上の空になっていた。
途中子供は、あたかも切り札のように「でも、アインシュタインが『戦争はなくならない』って言ってた」などというため、「アインシュタインなんか何の関係があんのよ、あの人は物理学の人でしょう? 関係ないじゃん」と返答した。

しかしわたしにはこの巨大な流れに逆らう力はないのである。
最後の方は、「いいよ、そんなにやりたいなら。好きなだけやりなよ…」
と、虚脱した声で言っていた。
これは何も、あてこすりや嫌味ではなく、こうやって皆時代の流れの中で少しずつ変質し、命や肉体の意味が変わっていき、すっかり変わりきった頃にはわたしはもう生きていないからいいや、という気持ちの現れである。そして君は将来、殺伐たる無思考の時代を、テクニカルにテロリストを効率的に殺傷する時代を生きればいい。そう、テロリストはケダモノ。人間じゃない。


 ★ ★ 


そんなで、かわいそうになぁ
と思っていた。

翌日である今日の夕方、子供が帰って来て唐突に言う
「やったー! 今日『時をかける少女』テレビでやる!」

なんだろういきなり。と思った。
普段から女っぽい系の発言はいっさいしないのに、「少女」なんて。
「おかーさん、『時をかける少女』知ってる?」

「え? 知ってるかって? 『時をかける少女』を?」
「昔のこと詳しいから知ってるんじゃん? 1983年にもあったんだって」

「1983ねーん!! 『時をかける少女』がそんなに最近のわけないでしょ あれはわたしが小学生の時に『タイムトラベラー』というタイトルでやっていたんだよ。1983年のは原田知世主演の映画だろうね。もともと原作は筒井康隆でうんぬんかんぬん」

とまぁだいたいわたしの世代の人間なら知らぬ者のいないような話なので、説明するのもかったるいくらい使いまわされた話題であり、NHK少年ドラマシリーズについては「謎の転校生」とか「赤い月」とかあるわけで、筒井方面にいたっては話していると長くなるので、さすがに昨日の今日でグッタリしていたこともあり割愛したものの、それなりに母親の顔が輝いていたので、作戦成功だったかもしれない。

時をかける少女


いろいろなことが分らないまま、分らない漁船に乗ってイカかイワシの漁をしながら航海している気分である。
イージス艦にぶつからないように気をつけようと、思う。
(いきなりつづく)


 ★ ★ 

追記: Xbox360「コール オブ デューティ 4」の対象年齢は15歳以上。なのでホントはやっちゃいけないんだよー

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