2008年09月21日

美人について考える。新しい時代のイメージ戦略はいかにあるべきか!?



真木よう子の仕事って『ゆれる』しかみたことないけど、『ゆれる』をみた時は「いるいるこういう女子!!」といたく感心した。どこにでもいる、知り合いの誰かがこんな感じ、ものすごく平凡、それでいて美人。そんな感じを見事に演じていた。




思えば普通程度に美人な女性ってそれほど珍しくない。本当の美人は、美人という役回りを引き受ける決意をしている女子なので、そういう決意をしていない女子は美人であってもさほど美人ではない。
美人はツライことが多い。
美人は孤独である。
美人を妬み憎む女性は多い。
でもって美人は異性からも同性からも常に注目を浴びているため、多大なストレスがかかっている。
そのツラサに耐えられない気の弱い美人は早くから美人のステージを降り、目立たないように生きようとする。しかし、美人は鏡を見るとやはり美人なのでナルシシズムを捨てられず、美人というポジションに未練がましくしがみ付くケースも多い。


わたしの同僚に20代後半の、長谷川京子似の派手顔美人がいる。彼女は美人のプライドと美人のストレスの間で絶え間なく揺れ動いた挙句、ガサツで乱暴でセッカチでいつもドタバタしている。まったくうざい。一緒に仕事をしていてこんな危なっかしい相手はいない。夜勤の時に一緒になるとどんな事件を起こしてくれるかと終業まで気が気ではない。
もしも、「私は美人」という定義で生きるなら、自らを他人の視線の中に寄附するくらいの余裕がないといけない。見られることが敵意や妬みの感情を産ませしめたからといって、「だってーアタシって美しいのだもの。文句があるなら神様仏様に言ってね」的な余裕がほしい。そうでないと、いちいちと他人の感情に反応することになる。むろん、異性からの視線もある。イヤらしい視線であることも多い。「視てんじゃねーよ、視るなら金払え」とかいう殺伐とした気配を漂わすのではなく、ここは美人ビーム1万ボルト攻撃でノックアウトして欲しいものである。(よくわからないが…)



テレビではさっそく、資生堂インテグレートのCMがやたらと盛んにかかっていた。
感想。


……真木よう子、色気ねーー……


なんか特集雑誌の宣伝で見たけど、真木よう子が会いたい人として選んだのは「うすた京介」だったそうで、それってかなり面白い女子。
そんな面白さが滲み出て、CMでは等身大すぎ美人を演じきれていない感じ。


といっても、それが彼女の「よさ」とも考えられる。
と思いつつも、やはり化粧品のCMには最大ボルトの美人ビームを期待してしまうのは、わたしが昭和育ちで時代遅れだからだろうか?



時代は複雑である。かつての公式がさまざまな局面で通用しなくなっている。
このインテグレートにしても、この前までイメージモデルに起用されていたのはアンジェリーナ・ジョリー。
アンジェリーナの女優ランキングがどれくらいかはよく知らないけれど、人気トップハリウッド女優なのは間違いないだろう。
そのアンジェリーナを起用して展開したインテグレート、化粧品の価格帯としては最下ランクに近い。
最下ランクでアンジェリーナ・ジョリー。



わたし自身、数年前インテグレートがドラッグストアに出てきた時は真木よう子じゃないけどはしゃいだ。
なにせ買い物カゴに入れるタイプのお手頃価格帯に関わらず、デパートで売り子が売っているような高級価格帯の化粧品に近いグレード感とバリエーションがあったし、実際に買って使ってみると、手ごたえが確かにあった。ちなみに手ごたえとは、それなり化けられたなーという手ごたえ。それまで資生堂は同じ価格帯としては、「セルフィット」という、主婦向けスーパー陳列ブランドを展開していたのだけど、あれは容器が安っぽかったし、何よりセルフィットには「実用」はあっても、「イメージ戦略」がまるで無かった。


最近になって、化粧品の技術革新が進み(ナノテクとか)、かつての高級ランクが、セルフィット価格帯まで降りてきたというのもあるのだろう。さらに、化粧品に一番金をかけると思われる独身OLも派遣が多いのか、化粧品が高すぎてネをあげたのかもしれない。なにせ、マキアージュだのエリクシールだのをライン買いしていたら、一体いくらかかるんだ?? 万札が数枚飛ぶ。
しかし、だからといって金のない現実を率直にみつめるのは悲しく、ミジメなものである。
貧乏がイヤなのではない、ミジメなのがイヤなのである。
さらに、自分より金を使ったがゆえに美人気取りの女の存在が許せない。(あたしだけ??)



ここらを回避するために、この先には、女性によってさまざまな選択肢がある。
まず、ミジメにならないために、資生堂などのブランドメーカーの存在を頭の中から抹消する。
化粧品自体は、100円ショップでも売っている。さすがに100円じゃ品質に不安があるものの、頑張れば近い線でやっていけないこともないし、実際洋服なんかはチープ感もファッションの一部と捉えることで、安価な洋服を次々消費している感がある。チープすなわちお洒落とする感性にシフトさせていけばいいのだ。美意識なんて多分に多数派が正しいってことになっている世界であるから、金のない女性が多数派になればそれがスタンダードになる。
次にあるのは、他の買い物を全部削ってでも化粧品に金をかける、という方法。
そのためには一食二食と抜くことになるかもしれないが、ともかく化粧品はいいものを使い、従来どおりの化粧観を保持する。
次にあるのは、ロハスやエコに目覚め、化粧を有害視することで化粧活動から離れる、という方法。
接客業など職業によっては化粧は必須となっているので、ちょっと難しいが、それ以外の職業なら必ずしも強制はされていないと思われる。それに、周囲にターゲットとなるようなステキ男子のいない環境なら、化粧をしてもしなくても、「結果」に大きな差は生じない。
他にも色々考えられる。たとえば、値のはる化粧水をひとつ買ったら、その効果を200%くらい引き出すために、IKKOの記事と首っ引きでガーゼパックをしてみたり、とか(美道は険しいので相当な覚悟が必要!!)。あとは全部「気」のせいってことにして、「キレイになるもならないも思いの強さなんだよ」とポジティブシンキング全開(安上がり)。あと要するに「ヒッピー風」や「ボヘミアン風」や、何なら「ホームレス風」をムリムリ流行らせちゃう。



ともかく、そんなであるから、資生堂のような大きなブランドだって、時代の変わりようによっては危機だろう。
けど、女性が化粧をしなくなる時代、というのは来ないと思う。
だってそんなのぜんぜんつまらないし、人生の楽しみの半分は確実に減る。
しかし現実問題として無い袖は触れないので高い化粧品は買えない。


どうしたもんかね…という時の、アンジェリーナ・ジョリー、そしてインテグレートだったってワケなのである。
アンジェリーナは美人なだけでなく、あの分厚すぎる唇は超人的だ。それにダンナがブラビだから最強だし、父親がジョン・ボイド(っても知らないか??『真夜中のカーボーイ』、腐女子の原点映画!!)と意外なオプション付き。
そればかりではない。
アンジーはイラク戦争を批判して「難民の子どもに教育を」と訴えるなど、そんじょそこらの美人女優ではないのである。




ただの美人じゃないんだよーー!!というのが、インテグレートの放ったイメージ戦略だ。
でもって、それを継承したのが真木よう子。

よく考えた。


しかし正直、最初口パクなのが違和感があった。というか、かなり口パクはリスクだと思う。
「なんでミュージカルなんだよ?」と思った。
けど、ミュージカルは、「夢を追いかけている」ということの表現。
ゆえに「今は金がない」だから「安い化粧品を使う」なので「安い化粧品を使うのは素敵なこと」という三段論法を生じさせしめているのであった!!!


口パクというリスクを犯したのも、夏木マリという50代女性をもってきたかったからかもしれない。
何せ化粧品というやつは、はっきりそうと言わないが、起用するモデルによって誰が買うべきかメッセージしている。今エリクシールのモデルは小泉今日子がやっているので「ああ、あれは40代前半向け化粧品なんだな」と思うし、マキアージュは伊東美咲や蛯原友里がやっているので「ああ、あれは20代後半から30代の女性が使うんだな、自分は買わないようにしよう」と思うことになっている。そして、対象年齢が上がるにつれ価格帯も上がるのが常だ。これは、旧来の年功序列制が、年齢が上がるほど給与が上がったことを反映している。
そしてまた、「ババアをきれいに見せるの大変なんだから、その分高くなるんだよ!!」というコワイメッセージも込められている。また、価格の高低がその女性の価値の高低に直結している化粧品の世界なので、加齢によって価値の下がった分を価格の高さによって持ち上げてやろうじゃないかという、ココロのリフティング効果を持たせているのである。
今の今までそこまで考えたことはなかったが、きっとそうだと思う。



25歳の真木と50代の夏木をダブルで起用したことのメッセージは、「夢を持って頑張っている若い女性が一応メインターゲットですが、実は世代は関係なくどなたでもどうぞ。低価格商品ですが、だからってあなたの価値は下がりませんよ、金よりもっと大事なものがあるのですから!!」となるかと。
むろん、これらはハッキリ言葉で言ってしまっては、他の高い価格帯の商品へのアンチになってしまう。
それでは不味い。高価格商品の価値をおとしめる真似は、ぜったいにしてはならない。そっちを買うお得意様も常にいるのだから。
これらはあくまでも、買う人が買うときに勝手に受信するメッセージであり、イメージなのだ。


おりしも時代はリーマンブラザーズとかいう冗談みたいなネーミングの証券会社が潰れたり、関連してアメリカンホームダイレクトやアリコなどのアメリカ資本保険会社が潰れるんじゃないかっていう金融危機時代。
時代に合わせ戦略を大幅に変えてきた資生堂は、サスガー。
(他のメーカーはイマイチ追随しきれていないから、結局インテグレート買うことになるんだよなぁ)


ということだけど、やはりわたしは真木よう子のとんでもなく強力な美人ビームを見てみたかったな。


posted by sukima at 19:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 00年代現社 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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