ハード・キャンディー / マドンナ,media:アルバムCD

madonna2.jpg前作『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』から2年半たってしまったことに、やや驚愕しつつ、今作『ハード・キャンディー』のジャケットを眺める。

お股をビローンとおっぴろげたその姿を見ると、ますます挑戦的に、挑発的にエスカレートしている…?

と思うとそうでもなく、彼女の露出度はこれ以上でも以下でもないあたりで安定しているようだ。
たぶん、一番肉体のラインを誤魔化さず公開できること、ダンスのしやすさ、他人の視線が一番よい刺戟を与える露出、台頭し続ける若手女性アーティストへの挑戦心、などなど総合的にこの皮膚と着衣のバランスなのではないだろうか。

『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』の頃、アメリカはイラク戦争に没頭していて、イラク民間人のボディカウント(死者数)は日々上がっていた。アメリカにとってイラクとの戦いは「イスラム教原理主義の独裁思想とのイデオロギー闘争」であり、「世代を超えた長期戦」で、つまり永遠に敵として憎む終わりなき戦争と宣言したうえの戦いなので、どこかで終らせるつもりはなく、最終的な和解などまったく求めないものだ。
そんな時代背景の中、『コンフェッションズ・オン・ア・ダンスフロア』において、アラブ系歌手をフューチャー、中東の歌唱や旋律を取り入れたのは、明らかに政治的なメッセージを持っていた。

さて今回であるが、特にそのようなことはなく、ひたすら音楽とダンスビートとオトコ(恋)に徹し、彼女にとっての平常心に帰ったような作品となっている。
ようやく、愚者にして殺戮者のブッシュの時代が終ろうとしているせいだろうか。

ダンスといっても、テンポはさほど早くなく、特に8曲目の「ビート・ゴーズ・オン」はゆっくり目リズムプラスファンタジックなきれいな音に、カニエ・ウェストなる黒人男性とのボーカルの絡みがエロティックでありながら、せっかちに絶頂を求めない大人の愛と友情を感じさせる、素晴らしい曲である。次いで9曲目「ダンス・トゥナイト」もダンスと性の隠喩関係を歌うシンプルな歌詞内容で、体にも耳にもハートにも気持ちのいい曲。
月9ドラマ「CHANGE」主題歌になっているという「マイルズ・アウェイ」は、なるほど、一番カタルシスのある曲で、「So far away(遥か遠く)」の繰り返しには胸が熱くなる思いがする。

他の曲もどれも早過ぎないスピード感で、ムダに盛り上がることなく、静かなる熱情を感じさせる。


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↑この曲は2曲目 フォー・ミニッツ(feat.ジャスティン・ティンバーレイク・アンド・ティンバランド)