『THE JUON/呪怨』『呪怨 パンデミック』 / media:DVD

怖かった。すごいのは、おもにアメリカ人の役者を使っているのに、汚い和室の漆喰の壁とか、ぼろい襖とかその上の天袋的な場所とかの、日本人だったらウンザリするだけの汚れた和を妥協なく使っていること。和は和でも、ハリウッド映画にあるような洋風アレンジのモダンな和とは違って、悲しくなる、みじめになる和だ。 それと、アメリカ人俳優たちとを、強引ぎみでもマッチさせていたこと。 そのせいか、伽椰子の母親でイタコの一種みたいな巫女が、土間のある昔の日本の家屋で、いきなし英語を喋った時も、ほとんど違和感なくスンナリ受け入れていた。それにあの巫女さんは意外と美人だった。あそこでどうして死んだのか不明だけど、昔の、地方の日本。仮にストーりーなんか無くても、それだけで充分に怖い、日本の風景。そんなのがよく出ていた。

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アジアの岸辺 / トマス・M・ディッシュ , media:単行本

 ネットで知った本。知ったのは同作者の『キャンプ・コンセントレーション』なんだけど、サンリオSF文庫だったためとうに絶版。まったく入手できないわけではないもののやたらと高額商品になっていて購入を躊躇。結果、こちらの現在進行形で販売中のアジア…にしてみた。  これからの時代はロングテールというやつで「マス」より「ニッチ」が集積、少数派の嗜好も尊重されて昔の本も復活するのかと思っていたら、そんな甘いものでもなかったらしく、やはり今だって出版界はベストセラー中心主義のまま(というか以前よりも加速)のようだ。ただし、絶版の古本を捜し求めて神田神保町をさすらう必要はなくなり、PCの前にいるだけで捜せるのだから、少しはマシなのか?  なぜこんなにもニッチのニーズは充たされないのか? あるいはなぜ出版界は読書家の満足を優先しないのか? あるいは、今本は読まれているのかどうか? 結局誰も読まなくなって、だから出版界は不況になって、良い本も悪い本も峻別しないままどんどん絶版にしているのか?

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